1957年に、モダンバレエの女性ダンサー、アナ・イテルマンの委嘱 により作曲されました。原曲は、ピアソラによると「ピアノと弦楽 オーケストラのための、タンゴのエッセンスをもったトッカータ」 だそうです。ピアソラが、自分の持った最高のピアニストだと語っ ていたハイメ・ゴーシスをフィーチャーしたとあって、ピアノソロ が際立つ作品となっています。ピアソラは、バルトークのヴァイオ リン協奏曲第2番を初めて聴いた直後に、わずか4時間ほどで一気に 本作を書き上げたと伝えられていますが、バッハに加えピアソラが 支持したバルトークやストラヴィンスキーからの影響がタンゴと融 合した先鋭的な傑作となっています。 この楽譜は2台ピアノ4手のための編曲ですが、ハイメ・ゴーシスの 技量に及ばないと思われたなら2台8手での演奏を試みるのも一考で しょう。